Beak stardust

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ドラゴンクエスト ユア・ストーリー 感想 ※ネタバレあり

ドラクエ5を題材とした映画。

ゲームの内容を再現し、それでかつ見ているものたちに伝えたい『何か』があった作品だった。

 まず初めに、この映画のタイトルに注目してほしい。

ドラクエを題材にした映画ならば、『ドラゴンクエスト』で十分だろう。むしろ今回はドラクエ5を原作にしているのだから、『ドラゴンクエスト 天空の花嫁-THE MOVIE-』にすればいい。

だが、今回は『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』、つまりあなたの物語なのだ。

 

ドラゴンクエストの映画だと思って、見ようとしている人たちはその考えを一切捨てたほうが良い。

 

その考えを持っていた時点で、すべて裏切られます。

数分のゲームのダイジェストに加えて、部分的に描かれるシーンの数々と共に。伏線すらない超展開をすべて受け入れるだけの機械でしかなくなります。

 

それでも尚、感想を天気の子より先に書きたかったのは二時間の中で、製作陣の工夫が見られた部分と伝えたい部分が見えたからです。

結果的にミルドラースを取り込んだウイルスから『ドラゴンクエスト5の世界を追体験できるゲームの世界』であるという設定がクライマックスで描かれます。それを踏まえたうえで、作品を見ていくと考えられて作られていたり、中々面白い考えが出来るわけでありまして。

個人的に面白いなと思ったのは、フローラと結婚する気マンマンだったリュカを、フローラが魔法使いの婆さんに化けて、ビアンカと結婚するように仕向けた。これは普段、ビアンカとばかり結婚するから今回はフローラと結婚しようかな、という主人公の考えでした。

ある意味ではゲームの楽しみ方としては間違っていないわけで、きっとゲームをやったことある人ならわかると思うんですよね。ドラクエ5に限らず、3ならば全員武闘家にしたり、主人公のみ男にして他は全部女にしたり…etc。きっと、他のゲームでもあるはずなんですよね。

でも、ゲームを最大限楽しむためにはビアンカと結婚する、というのが当然。どうしてかはわからないが、フローラがビアンカと結婚することをサポートする展開がそもそも起こりえないはずなのに、起こってしまった。

これがゲームを現実が超えてきたって考えられるし、もしかしたらウイルスや機械と戦いたいという願いによる設定が、何かしらのバグを引き起こした結果なのかもしれないと思うと凄い面白いんですよね。

何かしらのバグが、生まれてくる双子のはずが勇者の息子だけになっていたり、マリアが居なかったり、プオーンやヘンリーが最終決戦に駆けつけてくれるなどなど、原作を映画としてなんとか工夫しようとした結果、色々と変更されている部分が多々あったけど、それがいつの間にかバグとしてあるんじゃないかなとも受け取れて、個人的には面白かったなと思いました。

まあ結局のところ、『ゲームの世界』という前提として見ると面白いってだけなのかもしれないだけかもしれませんね。

でも、『このゲームの世界でリュカとして生きてきた主人公』にとって、関わってきた人たちは確かに本物で、それを否定なんかしないでほしい。これは主人公だけの物語なのだからということなのです。

つまり、『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』は俺のやってるゲームの世界をわけわからん他の奴がぶっ壊すんじゃねえ、ということを伝えたい映画なのです。

その他にも、もちろんCGのレベルもかなり高くて綺麗だし、ビアンカもフローラも可愛かった(ここ超重要)。あとは音楽はいつも通り、聞いたことのあるものばかりで安心しました。

十分、映画として成り立っていたと思いますし、面白かったです。

ドラクエ5がやりたくなったので、今度やろうと思います。