千恋＊万花 感想
長年の月日が経っても、その場に残り続ける余波を打ち消す奮闘の物語。
そしてブランドが売りの部分を残しつつ、物語の質が高いゲームでした。
世界観がしっかりしていて、本当にキャラゲーとも呼ばれる中にもストーリーがあって楽しかったです。やっぱりエロゲは文章に重みが置かれるので、ストーリーの重要性も再確認できた作品でした。
・朝武芳乃
共通ルートでの最初の態度からどんどん変わっていく姿が好きでした。
土下座のシーンを機に主人公の正臣と芳乃が、『巫女姫様と婚約者という名目の他人』からようやく『対等になれる存在』になった。その上、芳乃は巫女姫という立場もあってか、茉子のような主従関係を結んでいる存在や住民のみんなとは違った面で見ることが出来るようになったのが大きいと思います。
対等の存在が居なかった彼女を突き動かしたのは紛れもなく、常に対等にいることのできる正臣ですし、見方を変えれば、特別な存在。
ストーリーの完成度は高かったです。王道って感じがしてとても読みやすかったです。
・常陸茉子
このゲームを買おうと思ったのが要因で、尚且つ、まあ登場した時から可愛いこと。最初から好意を抱いているわけではないとはいえ、かなり気を許してくれていたキャラなので、個人的にはすごい好みでした。
芳乃とは主従関係とはいえ、結構対等に近い存在です。それでも、どこか抜けきれない感じな部分が共通ルートでは見られました。
芳乃が呪いから解放された後、自分がどうありたいかを悩みながら恋愛をしたいという部分にたどり着き、そこからどんどん可愛い一面を見せてくる茉子ちゃんが可愛かったです。ストーリー的には微妙だったけど、後述を考えると最後にやったら感想が違ったのかなと思いました。
・ムラサメ
千恋万花のメイン4人の中では一番ストーリーが楽しかったし、泣いてしまいました。そのくらい完成度の高さがあったと思います。
ムラサメちゃんにとっては触れられるという要素は非常に大きかったのだなと思います。一部の人にしか認識されず、さらに触れることが出来ないのがほとんどの中で正臣は認識ができ、触れられるのは長年生きてきたムラサメちゃんは特別だったのだと思います。
だからこそ、恋を知ったから今夜限りでも抱いてほしいというシーンは良かったですね。
そこから性格面も、子どもっぽさを出していたところが少しずつ母性というか大人っぽくなったというか、また違った一面がとても印象的でした。可愛い。
人柱になる前の名前で呼んだ際に、ムラサメちゃんが泣いてしまったシーンで泣いてしまいましたし、個人的にプレイ前とプレイ後で評価が全然違うキャラは今までゲームやった中では初めてだったかもしれませんね。
あと、神社でポニテのままでのHシーンで何故か泣いたのが自分でも謎でした（笑）
・レナ・リヒテナウアー
すべての謎が明かされる、グランドフィナーレでした。一番穂織に関係なさそうなのに一番関係が深くて、内容が非常に濃密でした。
しかも、レナ√をやることで、すべてのストーリーの謎が解けるという構成になっています。
言っちゃえば最初にプレイすれば、他のキャラストーリーも「そういうことね」って思いながら進められるので、頭に入ってきやすいです。最後か最初にやるのがいいですね。
内容は非常に読みごたえがありましたが、いかんせんすべての謎が一気に解けていくため、読むのに疲れました。没頭する前に、他の√ではどうだったかを思い出すためにいちいち戻ってたんで…それでもしっかりハッピーエンドで良かったです（KONAMI感）
レナは他の√に比べ、イチャイチャ成分が少なかったイメージがありました。ただ、他の娘とは違い、バカップル感があったんで、それで補完してるんでしょうか。常に前向き、そして頑張り屋の留学生でストーリーの癒し要素でした。
後はすけべシーンで圧倒的母性を発揮してたのが良かったです。やっぱりおっぱい大きいヒロインはそういう部分を発揮していただきたい。
・全体的な感想
2016年の作品でしたが、全然楽しめましたね。ゆずのゲームは初めてでしたが、高い評価受けているだけあって、軸がしっかりしてる印象を受けました。売りのイチャイチャ成分を残しつつもストーリーの質も高く、長年この業界で戦えているだけのことがあるなと思いました。
どの√も起承転結がしっかり描かれていましたね。茉子√は少し微妙な印象を受けましたが。単純にヒロインの魅力を引き出した√だったのはやっぱムラサメちゃんですかね。滅茶苦茶可愛かったです、、、
改めて思ったのが、涙を見せる部分があると滅茶苦茶心に刺さってくるということですかね。人を動かすのは感情や表情なのだと思いました。
千恋万花を経て、これから面白いと思ったゆずのゲームも手を出していこうかなとも思いました。女の子とイチャイチャするゲームも良いかなと。読みごたえ重視ばかりだった今までのゲームから少しずつ視野を広げていきたいです。
